MGL -マウンテンギアラボラトリー

Mountain Gear Laboratoryはギアマニアによるストーブやウェア類などオススメの登山用品のレビューとテン泊縦走や雪山等の山行記録

シュラフ(寝袋)の選び方とオススメアイテム

      2017/07/12

一般的に登山を始めたら『日帰り登山』⇒『小屋泊』⇒『テント泊or避難小屋泊』と進んでいくと思います。たまに例外で、友達に『テント泊のみで小屋には泊まった事がない』という変わり者もいますが…
で、上記のように通常通りステップを踏むと、日帰り登山から小屋泊はそれ程荷物に変わりはありません。ですが、さらにステップアップしテント泊や避難小屋泊となると一気に買わなければいけない物が増えます…。

今回はその中でも重要度が高い『シュラフ』の選び方について紹介いたします。

シュラフとは

みんな「シュラフ」と普通に呼んでいますがこれはドイツ語です。日本語なら寝袋、英語ならスリーピングバッグ。呼び方なんてなんでも良いのですが、アイゼンやピッケルのように登山用品はドイツ語を使う事が多いです。

ちなみに、アイゼンは英語ではクランポン、ピッケルはアイスアックスです♪

種類

シュラフには形や保温材の種類がいくつかあります。

一般的には『マミー型』と『封筒型』の2種類があり、登山に適しているのはマミー型です。

キャンプをした事がある方は見た事があるかと思いますが、封筒型は長方形をしていて肩口が広くフード部分もありません。少しでも保温性を高めなければいけないテント泊でこの形は致命的です。しかも大きくて重いとデメリットばかりです。メリットは安いくらいなので、キャンプなど人力以外で荷物を運べる用途に適しています。

マミー型はよく登山用品店で見かけますね。ミイラのような形をした寝袋です。人型にする事で重量を抑え、すき間が少なく肩口がすぼまっているため保温性が高いです。人間の体で熱が逃げやすい部位は頭部なので、UL(ウルトラライト)などこだわりがなければフード付きを選びましょう。

こちらが封筒型
モンベル(mont-bell) 寝袋 ファミリーバッグ #1モンベル(mont-bell) 寝袋 ファミリーバッグ #1 [最低使用温度-1度] サンセットオレンジ 1121188-SSOG

こちらがマミー型
寝袋 イスカ(ISUKA) エア450X寝袋 イスカ(ISUKA) エア450X ロイヤルブルー [最低使用温度-6度]

保温材

中綿で使用している保温材には大きく『ダウン』と『化繊』の2種類があります。

まずダウンはグース(がちょう)やダック(あひる)の胸の辺りに生えている保温性の高い綿毛を使います。グースとダックだとグースの方が保温性が高く高価ですね。ダウンの性能はFP(フィルパワー)で表され、数値が高くなると膨らみが大きく暖かくなります。特徴は化繊と比べると保温性を保ったまま小型軽量化が可能ですが、水濡れに弱く、濡れるとロフトダウンし(かさが減り)保温性が極端に落ちます。しかも、乾きづらく一度濡れてしまうとちょっとやそっとでは乾きません。
欠点が多いように思えますが、やはり登山で小型軽量なのはかなり重要な事で、欠点も工夫すれば補えるのでほとんどの方がダウンシュラフを使用しています。

化繊のシュラフはその名の通り化学繊維で出来た人工羽毛で、ダウンより価格が安くなる分大型化してしまいます。メリットデメリットはダウンの逆で重くて大型ですが、乾きが早く濡れに強い。という事は長期縦走時、特に冬季で結露がひどく乾きにくい特は化繊の方がすぐれているかもしれません。

同じ温度帯のダウンと化繊の大きさと重量を比較してみました。

 ISUKA エア450XISUKA アルファライト 700X
最低使用温度-6℃-6℃
重量840g1230g
内容量450g(90/10 800フィルパワ-)700g(Micro Lite™)
最大長78(肩幅)×208(全長)cm 81(肩幅)×203(全長)cm
収納サイズφ16×32cmφ19×35cm
価格(税込)¥38,880¥16,200

この表から分かるように化繊でダウンと同じ温度帯まで持って行こうとすると大きさも重量も増えてしまうんです。

使用温度帯について

大体のメーカーが欧州標準化委員会のEN13537(ヨーロピアンノーム)という基準を使用しており

  • コンフォート温度⇒一般的な成人女性(代謝が低く寒さに弱い人)が弛緩位を取った状態で安眠が可能な温度。
  • リミット温度⇒一般的な成人男性(代謝が高く寒さに強い人)が屈曲位を取れば目覚めることなく8時間の睡眠がとれる下限の温度。
  • エクストリーム温度⇒一般的な成人女性が低体温症による死亡のリスクを負うことなく6時間持ちこたえられるとされる限界温度。

と3段階の温度を公表しています。これを目安にどのシュラフにするか選ぶと良いでしょう。

※表示していないメーカーもあります。

メーカー

日本のメーカーだと『ISUKA(イスカ)』『NANGA(ナンガ)』『mont-bell(モンベル)』『Takemo(タケモ)』、『finetrack(ファイントラック)』海外製だと『WESTERN MOUNTAINEERING(ウエスタンマウンテニアリング)』『deuter(ドイター)』『THE NORTH FACE(ノースフェイス)』『Marmot(マーモット)』『HAGLOFS(ホグロフス)』などがあります。
特徴はテン泊

  • イスカ⇒アメリカの超高級ダウンシュラフメーカー『Western Mountaineering』のシュラフを真似てに似た形で、足元がボックス形でボリューミー。最近のカタログから公表されるようになりましたがエアシリーズの生地は撥水。ショートサイズもあります。
  • ナンガ⇒永久保証で生地の修繕をしてくれます。オーロラシリーズが防水生地で有名。ダウンを入れているチャンバーが胸側と背中側が繋がっているコンテニュスバッフルという仕組みで、ダウンが移動しやすく見た目いつもぺちゃんこ。カスタムでダウン増量出来るが、その為(原価を抑える為も)に生地の大きさがどのシュラフも同じ。中は広いので体の大きい人には良い。
  • モンベル⇒スパイラルストレッチという伸び縮みする構造で、縮んで密着し暖かい。伸びるので中であぐらをかけてゆったり出来る。スパイラルストレッチのため少し重い。生地は撥水。ショートではなく逆にロングがある。

  • タケモ⇒イスカで働いていた武本さんが2015年10月から始めたブランド。イスカで働いていただけあり形はイスカに似ていてシンプルだけどモコモコ感あり。価格が安くコスパが良い。撥水の生地です。

  • ファイントラック⇒ファインポリゴンという板状の化繊を使ったシュラフです。化繊で板状の為、濡れてもロフトダウンせず、かたよってある部分だけ寒いなどがありません。

  • WESTERN MOUNTAINEERING⇒アメリカのシュラフ。日本で買うと破格の値段ですが、高品質のダウンを使いとても暖かい。ゴアウィンドストッパーモデルが有名。モデル名が動物の名前でかっこいい!

  • deuter⇒ザックで有名なメーカー。内側の生地が伸縮し暖かくなる構造。生地は防水。

  • THE NORTH FACE⇒プロダウンという撥水性のダウンを使用しており濡れに強い。サイドではなく中央にジッパーある。少し価格が高め。

  • marmot⇒ダウンジャケットで有名なメーカーなのでなかなか暖かいようです。

  • HOGLOFS⇒「Less Is More (シンプルなものが豊かである)」というコンセプトで商品を開発している。青、緑などカラフルな色が特徴的。

海外製のシュラフはあまり見かけないし情報も少ないのでいまいち良く分かりません…。

選び方

ここまで、どのような種類のシュラフがあるか書いてきましたが、いろいろありすぎてどれを選べば良いか悩むと思います。

まず、形は当然マミー型、ダウンと化繊なら迷わずダウンを選びましょう。

次に使用温度帯ですが、極端に軽さを求めないのであればコンフォート温度が使うであろう温度帯と同程度の物が良いと思います。寒いのはどうにも出来ませんが、暑ければジッパーを開けて寝ればいいのです。コンフォート温度が無く最低使用温度のみなら、10℃足して考えてみて下さい。
目安として、高山で3シーズン使うなら夏季は暑いですがイスカ エア450Xンベル ダウンハガー800#2など0℃前後のシュラフ、厳冬期用ならイスカ エア810EXンベル ダウンハガー800EXPなど-15℃前後のシュラフですと心地よくなれると思います。

メーカーは暖かいと有名なイスカモンベル、お金に余裕があれば最高級のWESTERN MOUNTAINEERINGがオススメです。
ナンガの防水生地や永久保証も魅力的ですが、イスカもモンベルも撥水生地でそうそう中まで濡れることはありませんし、補修は自分でも可能で、普通に使っていれば穴を開けてしまう事もありません。
特に、身長が170cmより低い方はイスカのショートサイズがベストでしょう!隙間が出来るだけない方が暖かく眠れます。

日本のメーカーはイスカ以外収納袋がきついと言われていて、1度出すと収納に苦労するそうです。見た目のスペックを良くするために収納袋を小さくしサイズを小さくしているので、収納サイズでは選ばず重量やダウン量・使用温度で選んで下さい。

今回紹介した商品

次回は…

シュラフがあってもマットがなければマトモに寝る事が出来ません。シュラフとマットは2つで1つ!
次回はマットの選び方をご紹介しますのでそちらもご覧ください。

更新情報が欲しい方は「いいね」か「フォロー」をお願いします。

 - シュラフ , ,